パーペットマンション　エピソード６
新しき日々

覆面男「ぐわぁぁ〜〜〜。よく寝た〜。」
現在、午前１０時。いつもこの時間に覆面男は起きる。
しかし、こんなに眠れたのは久々だ。
そして、いつもどおりの服に着替え、顔を洗って食堂に来る。
しかし、まだ目は眠さでショボショボしている。

覆面男「おはよう。ＪＦ・・・ぐふぅ！」

いきなり正面の何かにぶつかったのだ。
覆面男が顔を上げると白いものがぼんやり映っている。どうやらまだ目が寝ているらしい。
少しづつ目がさえてきた。鳥・・・だ。白いワシだ。

覆面男「え？え？え？」
（まだ呪いがかけられているのか？しかも、この鳥・・・怖いぞ・・・。）

目の前には目つきの鋭い２メートルのワシ・・・というより鳥人間。そして片手に竹刀。
そして、その真下には１７５センチの覆面を被った黒い男。
まるでカラスだ。ワシってカラスを食べたっけ？

そんなくだらないことを考えていたさなか、聞き覚えのある声が聞こえた。

ランス・ＪＦＬ「ご主人様？どうしましたか？」
覆面男「・・・え？」
？？？？「大丈夫ですか？」
覆面男「鳥が喋った・・・。」
ランス・ＪＦＬ「紹介し忘れました。新しくロイヤルガードとして雇ったガルーダです。」
ガルーダ「俺がガルーダだ。」
ランス・ＪＦＬ「だから態度がでかいって・・・。」
ガルーダ「履歴書に書いただろう！読解不足だな。おしおきだ！！」
ランス・ＪＦＬ「ぐはぁ！！！！！」
覆面男「赤い稲妻・・・。余計に怖い。」

そこへつること達が降りてきた。
つること「おはようございます〜。」
飛鳥「おはようます〜。」
優輝（うしくん）「モー寝すぎてうっしっし。」
gachapin「・・・。」
弥子「あ、ご主人様！郵便でぇ〜っす！ぎゃぁ！！」

弥子が絨毯に躓いて郵便物をぶちまけたのだ。
このままだと一直線に覆面男に当たる。

覆面男（内心）「あぁ、朝なのにいきなり気絶か！？」

しかし、覆面男の前を猛スピードで風が吹いた。
ゆっくり目を開けると、その「ガルーダ」という鳥人間が立っている。竹刀を構えて。
しかし、覆面男には背中を向けて。そして・・・

ガルーダ「きぇぇ〜〜！！！」

その瞬間、眩い赤い雷光が走った。目を開けるとぶちまけた郵便物はちゃんと仕分けされて床においてある。

覆面男「・・・・・・・・・？」
ガルーダ「大丈夫か？」
ランス・ＪＦＬ「だから、言葉に気をつける・・・。」
ガルーダ「おしおきだ！！」
ランス・ＪＦＬ「ぐはぁっ！！」

カエル君「何何？今の光！！」
うし君「どうやら、そこの鳥が発生させたみたい。」
ガルーダ「・・・・・とりぃ・・・？」
Dezyne警備隊長「おっはっようごっざいままっす！！」
つること「あ、Dezyne隊長さん。おはようございます〜。」
トッフェ副隊長「おはようございます。なんですか、あの鳥は？」
ガルーダ「・・・・とりぃ？」
ランス・ＪＦＬ「・・・・・まずぃ・・・。」
飛鳥「・・・？」
ロザリー「おっは〜！」
ニンファドーラ「おはようございますです。」
覆面男「あ、おはよう。これで全員そろったか〜。」
Dezyne警備隊長「それにしても何ですか？この鳥は・・・。」

ついにガルーダがキレた。
ガルーダ「鳥っていうなぁ！！ガルーダだぁ！！！！きえぇぇ〜〜！！！」
ズズズズド〜〜〜〜〜ン！！！！

屋敷を震わす大きな雷。全員が「死んだ！？」と思うのも無理はない。
だが、体はなんともない。気になるといえばコゲ臭いことである。

ガルーダ「はぁ、イライラ解消だ！！」
覆面男「・・・。みんな大丈夫？」
うし君「あれ？なんともない・・・。」
カエル君「ちぇ・・・せっかくロースト・・・」
うし君「ビーフ！？」
カエル君「うん！！」
優輝（カエル君）「食べたかったのに〜。」
うし君「やめようよ。その発言・・・。」
飛鳥「でも、何？この匂い・・・。」
弥子「どうやら彼の前で鳥は禁句ね・・・。」
ロザリー「料理でも焦がしたかしら？」
ニンファドーラ「それはないわ。だってもう出来てるし。」
覆面男「じゃぁ・・・」
Dezyne警備隊長「ご、ご、ご主人様！？」
トッフェ副隊長「彼です！！」

みんなが目線を向けた先にあるのは黒い彫刻物・・・らしいもの。
でも良く見ると黒く焦げたランスだった。

ガルーダ「う・・うむ・・・こういうときもある！・・お、おぬしは幸運だぞ！！」
ランス・ＪＦＬ「それを自然に信じられないのは何故だろうか・・・。ガルーダ。」
全員「よく死なないな・・・。」

ランス・ＪＦＬは医務室に運ばれた。警備隊によって。
他のメンバーは食事を始めた。

ガルーダ「さっきの執事大丈夫か？」
Dezyne警備隊長「あ、医療ドロイドに治療させていますよ。」
ガルーダ「うむ。あとで見舞いに雷を・・・」
トッフェ副隊長「やらないでください。」

覆面男「では、今日から新しい配置を決めます。
　　　　つること君。屋敷のデザインのアドバイザーを！
　　　　gachapin君。君は厨房の担当だ！
　　　　飛鳥君。弥子君と一緒に郵便担当で！
　　　　優輝君！君には屋敷専属ドライバーを頼むよ！」

つること「あ、さっきから気になっているのですが、彼女は誰ですか？」

つることの目線の先には魔女の帽子を被った女性がいる。今まで屋敷で見たことはなかった。
年は２５歳ぐらいだろうか？

覆面男「あ、紹介しよう。彼女はアメリア。ランスとガルーダのサポート役だ。」
アメリア「よろしくです！！！！」
飛鳥「アメリアさんって魔女なんですか？」
アメリア「イエ〜〜ス！！・・・ごめんなさい。これ口癖なの。」
gachapin「どうしてこの屋敷に？」
アメリア「あ、実は私ね、１回こういう屋敷で働きたかったのよ。」
弥子「でも、魔女だなんてステキですね！」
覆面男「面白いことに彼女はね、仕事熱心だよ。」
アメリア「あっちゃ〜。ほめないでくださいよ。顔が赤くなるじゃないですか〜。」
優輝（うし君）「あ！赤だ！！モ〜〜〜！！」
ロザリー「やめなさいって・・・。」

覆面男「それと、警備隊の新しい・・・わけでもないんだけど・・・。」
Dezyne警備隊長「彼らは呪われた上、監禁されていた警備員だよ。」
つること「呪いね・・・。」

覆面男「この機械みたいなのが、『ヴァス・グリー隊員』。顔が真っ赤のが『ダスー・モール隊員』だ。」
ニンファドーラ「わぁ！キャラが濃い！！」
覆面男「それは・・・褒め言葉にならないよ。ニンファ君。」
ガルーダ「だが、なんか嬉しそうだが？」
覆面男「・・・。」

ここは屋敷内の医務室。
ランス・ＪＦＬ「それにしても、あの電撃はないよなぁ・・・。強すぎるって。」
ガルーダ「手加減はしたが？」
ランス・ＪＦＬ「本人はそう言って・・・ぎゃぁ〜〜！！」
ガルーダ「察知不足だな！おしおきだ！！」
ランス・ＪＦＬ「今度こそ死んじゃう〜〜！！」
アメリア「おしおきばかりなんてだめねぇ〜。」
ガルーダ「なにやつ！？あ・・・アメリアか・・・。」
ランス・ＪＦＬ「アメリア？あぁ！確か私たちのサポート役の。」
アメリア「よろしくお願いします！」
ガルーダ「あの仕事は終わったのか？」
アメリア「はい！もう完璧に！！えっと、ガルーダさんの竹刀を分解して、ランスさんの机をテラスに！」
ガルーダ＆ランス「やりすぎだ！！！！」

初めて２人の意見があったようだ。
ガルーダ「確か、履歴書に『余計な仕事をする可能性あり』って・・・。」
ランス・ＪＦＬ「あったのか！？」
ガルーダ「ムう・・・。」
アメリア「じゃぁ〜次は・・・。」
ランス＆ガルーダ「やらんでええわ！！！！」

一方・・・
覆面男「じゃぁ、私たちは町のほうに出かけるから。」
ニンファドーラ「了解です！」
優輝「バンバン飛ばしますよ！！」
覆面男「速度制限は守ってね・・・。」
優輝（カエル君）「速度制限？大丈夫！守らないから！！！」
覆面男＆ロザリー「！！！！」
ニンファドーラ「でも、優輝さん。そのうし君＆カエル君は外すんですよね？」
優輝「え？外しませんよ！」
覆面男「うぅぅぅ・・・。」
優輝「じゃぁ！いっきますよぉ〜〜〜〜！！！」

そういいながら優輝は覆面男の腕を無理やり引っ張って連れて行った。
覆面男「後は頼んだよ〜〜〜〜〜！！！！」
一同「・・・。」
ランス・ＪＦＬ「一歩遅かったか・・・。」
ロザリー「ランスさん？！」
Dezyne警備隊長「あ、あれ？ガルーダさんはどうするんですか？」
ランス・ＪＦＬ「彼なら心配いらないよ。もうすっ飛んでいったから。」
ニンファドーラ「流石ですね〜。」

そこにつることが大量のカーテンを持ってきた。
つること「ロザリーさぁん！これはどこに置けばいいかしら？」
ロザリー「あれ？そんなもの見たことが・・・。」
つること「え？アメリアさんがこれ！って言ってきたのですが？」
ランス・ＪＦＬ「彼女かぁ！！！」
ヴァス隊員「Dezyne隊長！」
Dezyne警備隊長「どうした！？」
ダスー「警備室の配置が変わっています！」
トッフェ副隊長「え？え？え？なんで？」
ヴァス隊員「モニターの位置やら、ロッカーの位置まで全部・・・。」
アメリア「行くわよ！！！」
一同「待った！！」
アメリア「何かしら？」

一方、車内は大変なことになっていた。
覆面男「ガルーダ、この車の速度は？」
ガルーダ「時速・・・１２０キロだ。」
覆面男「優輝君！スピード落とせないか？」
優輝「え？聞こえませんけど？」

そこでいきなり左へカーブ！！
ガルーダは不動だったが、覆面男は窓ガラスへ思い切り頭をぶつけた。
覆面男「ツー・・・。」

そこで急ブレーキ！！
覆面男はこれは死ぬと思った。が、次の瞬間感じたのは柔らかい感じ。

覆面男「あ・・・俺は死んで雲の上か・・・。」
ガルーダ「何馬鹿言ってるんだ！」
覆面男「んぇ？」

よく見ると覆面男がぶつかったのはガルーダの白く柔らかい翼だった。
覆面男「君って意外と柔らかいな。」
ガルーダ「羽だけだ！！」
優輝「ふぅ。久々に気持ちよかった〜〜！！！」
覆面男「やめてくり〜・・・。」
優輝「はぁい。銀行に到着〜。」
覆面男「ありがとう、優輝君。帰りは安全運転でね。」
ガルーダ「俺も付き添うぞ。」
覆面男「じゃぁ、頼む。」

ここは「パペート・マペート・バンク」。
この街では一番の大きな銀行である。しかし、ドアにはこう書かれていた。
「只今、防犯強化週間」と。無論急いでいた覆面男とガルーダには見えなかった。
ということは・・・？

エピソード７へ続く・・・。

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