パーペットマンション エピソード4
暴かれし真実、迷いし住民


時計台を離れたアーサーとDezyneはランスを探しに屋敷を歩いていた。

アーサー「ランス様はどこでしょうね?なかなか見つかりませんね。」
Dezyne警備隊長「そうだな。」
アーサー「おや?いつものようにボケないんですね?」
Dezyne警備隊長「いやいや。ネタが浮かばないんだ。」
アーサー「・・・そうですか。いつもより何故かシリアスですね?」
Dezyne警備隊長「まぁね。」

そのとき、覆面男が反対方向から歩いてきた。

アーサー「ご主人様。ランス・JFL・クロムウェル様を見ませんでしたか?」
覆面男「見ていないね。私も探しているんだ。」
Dezyne警備隊長「多分、ランス様は現れないと思いますよ。アーサーさんがいる限り。」
覆面男「どういうわけだ?Dezyne警備隊長。」
アーサー「どういうことですか?私がいるとと言うことは?」
Dezyne警備隊長「私知ってるんですよ。私に血のつながった人物が屋敷内にいるということは。」
覆面男「なぜそれを?」
Dezyne警備隊長「たまたま、盗聴器を落としてしまって聞こえたんですよ。」
アーサー「では、彼を・・・。」
Dezyne警備隊長「彼?!」
覆面男「ちょっと待ってくれ。アーサーはその話を知らないはずだぞ?」
アーサー「・・・。」

そのときDezyneがその強い腕力でアーサーの首を絞め始めた。
覆面男はただ驚くばかりでそうすることもできなかった。
Dezyneの腕力は大人3人分ある。その握力で老人の首を絞めれば、そう長く持たないはずだった。

Dezyne警備隊長「言え!言うんだ!真実を!!」
アーサー「何の・・・こ、ことだ・・か・・・。」
覆面男「やめんるんだ!Dezyne警備隊長!離すんだ!」

覆面男が言っていうことを聞くDezyneではなかった。
少しずつアーサーの足が地上から離れていく。明らかにアーサーの顔は恐ろしい形相に変わっている。

アーサー「わ、わかっ・・・た。は、話・・・そう。」
Dezyne警備隊長「話していただけるんですね?」
アーサー「まず・・・手、て、て・・・を・・・は・・・・はな・・せ。」

Dezyneはようやく手を離した。アーサーはその場で崩れた。何回か咳をしただけですぐに立った。
老人にしてはすごい回復力である。

アーサー「では、真実を語るときがきたようですね。」
覆面男「アーサー・ドルチェ・・・君は誰なんだ?」
Dezyne警備隊長「・・・。」

アーサー・ドルチェは左手を挙げ、指を1回鳴らした。
すると緑色の光が彼を一瞬包み、すぐに消えた。
そこに立っていたのは屋敷の執事「ランス・JFL・クロムウェル」だった。

覆面男「ラ、ランス・JFL?」
Dezyne警備隊長「やはりそうでしたか。」
ランス「どうやらDezyne警備隊長はご存知でしたね?」
Dezyne警備隊長「それはたまたまランス様の部屋に用事があって行こうとしたとき、
ランス様がちょうど入ったのにアーサーさんが出てきたので・・・。」
ランス「それではバレていても文句は言えませんね。」
覆面男「どうして?そんなことを?」
シェリー「それは私が話すわ。」
覆面男「シェリー・エアルド!?」

この話を聞いていたのか、シェリー・エアルドが壁に備え付けられていたホログラフディスクから出てきた。

シェリー「それは屋敷が呪われてからです。呪いのヒントをつかもうと屋敷内をひそかに調査させていたんです。
     でも緑の呪いの主はランスのみに直接、攻撃してくるので、私がこう指示されたのです。」
ランス「その通りです。」
覆面男「そういうことだったのか・・・。」
Dezyne警備隊長「それで、私の血のつながった肉親とは誰ですか?」
ランス「・・・その話題でしたね。ご主人様お話してもよそしいでしょうか?」
覆面男「そうだね。彼には・・・。」
ランス「知る権利があり、私には話す義務がある。ですよね?」
覆面男「そうだ。」

ランスは1回指を鳴らした。そうすると3人はいきなり書斎に移動した。
もちろんシェリー・エアルドも移動していた。

覆面男「では、JFL。話しましょうか。」
Dezyne警備隊長「誰なんでしょうか?」
ランス・JFL「まず、経緯から話しましょう。」

Dezyneの肉親とはこの「緑と白黒のバランス」を正すという男なんです。小さいころ
にDezyneと彼は事故で分かれてしまった。
しかし、私の父「ジョセフ・JC・クロムウェル」はその弟を探しに探した。そし
て、その男の名は・・・。

ランス「ジャゴン・トッフェだ。副隊長の。」
Dezyne警備隊長「!!!アイツが!?」
覆面男「うそはない。これが真実だ。」
ランス「隊長に言うのは、もう少ししてからがいいかと思っていましたが、これ以上
隠しておけなくなりました。」
Dezyne警備隊長「ランスさん。首をしめて申し訳ありませんでした・・・。」
ランス「いやいや!別にいいですよ。もう、気にしていませよ。で?Dezyne隊長、
トッフェに伝えますか?」
覆面男「言うも言わぬも君次第だ。」
Dezyne警備隊長「・・・そのまま隠します!確かに彼とは兄弟みたいな仲ですのでこ
のままで平気です!」
ランス「やっと、1つ重荷が取れましたよ。あといくつかありますが。」
???「じゃ、その1つは僕かな?ランス?」
一同「あれは!!!」

天井を見上げた瞬間、緑色の生物が一気に降りてきた。

ランス「カ、カエル君!?」
カエル君「そういうわけだったんだね?JFL。」
覆面男「しまった・・・。」
カエル君「ちょうどいいや。コイツをもらってそのバランスを正すものに会ってみようかな?」
ランス「何!?私をさらっても何も得しないぞ。」
カエル君「前は油断して逃がしたけど、今回はもう逃がさないよ!カエルの卵で縛っ
てやる!!」
覆面男「だが、うし君がいないのはわかるがなぜランスを!?」
カエル君「この中で一番囚われ役にぴったり!!」
Dezyne警備隊長「・・・おいおい。ぴったりだかなんだか知らないけど、ランスさん
は渡さない!」
ランス「もちろん行く気はない!カエル君!もう少しで呪いは解けるんだ!」
カエル君「じゃぁ、仕方ないね。それまでJFLをいただくよん♪」

と言ったカエル君の口からカエル君のミニチュアが無数に出てきて「ゲロゲロ」言い
ながらJFLを拘束した。
しかし、ランス・JFLも魔術で対抗するもカエル君に首筋をかまれ、麻酔で気を
失ってしまった。

覆面男「ランス!!」
カエル君「返してほしければ、バランスとやらを整えてみてよん〜。」

そう言い残すとカエル君はランスとともに消えてしまった。

Dezyne警備隊長「あの、『〜よん』って言い方、以前しませんでしたね・・・。」
覆面男「君も気づいたか。私もだ。」
Dezyne警備隊長「何かに操られているのではないでしょうか?」
覆面男「まさか!?でも、今はそれどころではないな。早いとこみんなに知らせないと。」
Dezyne警備隊長「では急ぎましょう!」

つること達は時計台の修理が終わり、みんなでお茶を飲んでいた。
しかも、話が面白いらしく周りが見えない状況だった。
gachapin「でさ〜、こんなことしてたんだよ!!」
弥子「うわ〜!最高!!」

そこに走ってきたDezyneと覆面男がかなり遠くから入ってきた。
覆面男「最悪の事態だ!」
ロザリー「ほんと最高!!」(聞いていない)
Dezyne警備隊長「さらわれたんだ!」
ニンファドーラ「でさ昨日ね、皿割れた!!」(聞いていない)
覆面男「ランスだ!」
飛鳥「チャンスだ!って思うときがあるのよね。一生懸命アピールの。」(聞いていない)
Dezyne警備隊長「カエル君だ!」
優輝「会社から帰るときにね・・・。」(聞いていない)

覆面男&Dezyne警備隊長「話を聞かんかいっ!!!」
Dezyneは近くにあった石ころを思い切り投げて鐘に命中させた。
ゴ〜〜〜〜〜〜〜ン!!!
一同「え?何?」
覆面男「何1つも聞いていないのか・・・。」
Dezyne警備隊長「まぁまぁ、ご主人様・・・。」
つること「何がどうしたんですか?」
Dezyne警備隊長「簡単に言おう。詳しくは聞かないでくれ。アーサーはランスさんの変装で、カエル君が現れてランスさんを誘拐した。」
弥子「えっと・・えぇ〜〜〜〜〜!!!!!!」
覆面男「いやいや、弥子君驚きすぎだから。お茶こぼれてるよ。」
弥子「あ、すいません。でも・・えぇ〜〜〜!!!!」
ロザリー「弥子さんもすごいリアクションですね・・・。」
飛鳥「いつ?どこで?何時?何分?何秒?地球が何回回ったとき?」
覆面男「なんかネタが古いぞ、飛鳥君・・・。」
gachapin「ランスさんがカエル君に誘拐されたって?そんなに体重軽いんですか?」
Dezyne警備隊長「そういうわけではないんだが・・・。」
シェリー「彼はアリーナにいるわ!センサーが感知した!」
覆面男「詳しい話はそのあと!トッフェ君!いつまで食べてるんだ?早く行くぞ!」
トッフェ副隊長「あ!行きます!行きます!」
Dezyne警備隊長「まったく、いつも君は仕様がないな〜!私を見習なさいよ〜。」
トッフェ副隊長「隊長を見習ったらもっと大変ですって・・・。」
覆面男「(なんとかいつも通りだな。一安心だ。)」

一向は「アリーナ」に到着した。
ドアを開けると、正面にはカエルの卵で貼り付けられたランスの姿があった。
カエル君「僕のTVショウへようこそ〜!もらった執事、重宝してるよん♪」
一同「カエル君!」
カエル君「もうすぐここに屋敷を揺るがす真実が暴かれる!はははは〜!!」
飛鳥「なに?!」

そこに現れたのはピットとキットだった。
彼らが数十年前の「バランスを乱したもの」だったのだ。
どうやらカエル君は彼らに操られているようだ。

覆面男「なぜ君たちが?」
キット「ネタがほしかったのさ。」
ピート「こっちは新聞記者。ネタが命だ。」
gachapin「だけど、記憶がないんでしょ?」
ピート「それはカエル君のおかげだ。」
つること「でも、緑色は怖いはずでしょ?」
キット「それは演技さ。君たちにばれないようにね。」
覆面男「なんと・・・。じゃぁ、本当の首謀者は君たちか!?」
ピート「その通り。もし、うし君とカエル君を返してほしければ・・・」
ニンファドーラ「何よ!」
キット&ピート「踊りで勝負!!」
一同「・・・え・・・?」

てっきり、「ロシアンルーレット」みたいに危ないものかと思っていたのに、「踊りで勝負!」って。
どこかのゲームみたいだ。確かに、このアリーナ・・・そのゲームの最終面みたいだ。

これから、そういうわけだけだか知らないけど首謀者VS救世主のバトルが始まる!

エピソード5へ続く・・・。

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